Artwork
Saint Erasmus

Saint Erasmus is an unspecified painting by the High Renaissance artist Unknown. It dates from 1510 and is held in the collection of the Kunsthistorisches Museum.
About this work
概要
『聖エラスムス』は1510年制作の板絵で、サイズは68.5×46センチメートル。フォルミアの聖エラスムスという初期キリスト教の司教かつ殉教者を描いた作品である。本作はルーカス・クラナッハ・エルダーの追随者であるドナウ地方の画家に帰属され、ウィーンのベルヴェデーレ、美術史美術館の所蔵となっている。16世紀初頭の信仰画として、この作品は十四聖人崇拝がなお盛んであり、宗教改革の視覚文化が形になり始めた時期における、北欧の聖人像の伝統を体現している。
主題と意味
本作は、聖エルモとも呼ばれるフォルミアの聖エラスムスを描いている。彼は紀元303年頃に死去した初期キリスト教の殉教者であり、十四聖人の一人として崇敬されてきた。画像の中では、殉教の苦しみではなく、装束をまとった司教として描かれている。頭には金装飾と背面に赤いパネルを備えた高い白いミトラを、体には黒い格子模様と渦巻文様を施した豪華な金のコープを、その下に暗色のローブと白い下着をまとっている。右手には黒いT字型の物体を持ち、左手には金で曲がった上部と銀の軸を備えた高い装飾的な司教杖を握っている。この描写は、伝説的な内臓引き抜きよりも、彼の司教としての権威を強調している。背景には、暗緑色の木立の上に青緑色の空が広がり、左側には岩場と小さな城、右側には切り株が見える。この図像は、船乗りや腹部疾患に苦しむ人々の守護聖人として広く崇められたエラスムスの信仰に基づいているが、後の殉教図で一般的となった風車や内臓といったより生々しい属性は、本作ではあえて避けられている。
技法と様式
板絵は油彩で描かれ、顔や衣類には滑らかで精密な筆致が、風景部分にはより質感のある処理が施されている。光は左上から差し込み、顔と手を柔らかい影で立体化している。色彩は金、黒、白、青緑、茶色が主体である。コープの金糸や宝石には細部まで丁寧に描き込まれており、全体的には光沢があり、至る所にクラクレールが確認できる。人物は縦長の板の大部分を占め、16世紀初頭の北欧の信仰画に典型的な威厳ある、聖像的な存在感を放っている。緻密な衣類の描写と比較的簡素な風景背景の組み合わせは、ルーカス・クラナッハ・エルダーとその工房の様式的領域に合致するが、具体的な筆致からは巨匠本人ではなく、その追随者の作と推測される。
歴史と来歴
本作は1510年制作であり、ルーカス・クラナッハ・エルダーがヴィッテンベルクに工房を設立し、その影響力がドナウ地域全体に広がっていた時期にあたる。ドナウ地方の画家、すなわちドナウ画家への帰属は、クラナッハの初期様式の後に活動した画家たちの輪の中に本作を位置づける。この板絵はウィーンのベルヴェデーレ、美術史美術館のコレクションに入り、現在も同所に所蔵されている。利用可能な資料には、特定の委嘱記録や初期の所有履歴は記録されていない。
遺産
この特定の板絵の後の具体的な影響については詳細に記録されていないが、聖エラスムスの像はヨーロッパ美術において驚くほど長く存続した。特に風車を用いた内臓引き抜きの殉教場面は、芸術家たちが解剖学的知識を深め、対抗宗教改革がより感情的に訴える宗教的イメージを推進するにつれて、次第に一般的な主題となった。ニコラ・プッサンが1620年代にバチカンのサン・ピエトロ大聖堂のために描いた『聖エラスムスの殉教』は、この主題に対する最も有名な芸術的扱いであり、その複製は北翼廊にあるエラスムスに捧げられた祭壇の祭壇画となっている。本作における、殉教者ではなく司教としての聖人のより抑制された、肖像画風の描写は、次第に劇的な物語的表現に取って代わられることになる、より以前の信仰的様式を保存している。この作品は、そのような仲介者への崇敬が争われるようになる宗教改革の直前、クラナッハ派が伝統的な聖人崇拝とどのように関わっていたかを示す重要な資料として意義深い。
Artist & collection

















